【音楽】オーロラになれなかった人のために/スピッツ
まず、タイトルがいいですね。
意味はわからないけど常人の感性では思い付かないセンスに溢れていて。
デビューアルバム「スピッツ」の後にリリースされたミニアルバム。
5曲の収録だけど一曲一曲の密度が濃い。
「田舎の生活」は、この原曲を聴く以前にトリビュートアルバム(一期一会)のLOST IN TIMEによるカバーの方を先に聴いていて、そのときからノスタルジックに溢れた歌詞と5拍子の心地よいリズムに心惹かれていたけど、原曲を聴いて改めて良いと感じた。草野さんの囁くような優しい歌声がたまらなく良い。
「ナイフ」は、シングル(シロクマ/ビギナー)のカップリングとして収録されたライブバージョンを先に聴いていた。曲調は穏やかだけどそれに反して歌詞の内容が剣呑で、凍てつくような狂気を感じて思わず背筋がぞくっとする。スピッツの曲の様々な考察サイトを見ていると、曲中に現れるナイフは男性器のメタファーという見方がメジャーな模様。
「涙」は、最後を締めくくるに相応しい綺麗なオーケストラソング。時間にして30分にも満たないアルバムなのに、大作アルバムの締めくくりのような充足感を覚えた。